「おもしろき こともなき世を おもしろく」

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キャリアカウンセラー 大瀧 朋子


 NHKの大河ドラマがスタートすると、新しい年が始まったことを実感します。

 今年は明治維新からちょうど150年にあたるため、西郷隆盛を主役として、幕末から明治にかけての日本の変革期が描かれるそうです。


 タイトルの「おもしろき こともなき世を おもしろく」ですが、西郷隆盛と同時期、幕末に活躍した長州藩士、高杉晋作の辞世の句と言われています。


 すでにこの世に存在しない人物ですから、本人がどのような意味合いで詠んだのか本当のところはわかりませんが、「自分がいま生きているこの世を面白くするのもしないのも、自分の心ひとつだ」という解釈がなされることが多いようです。


 大きな失敗で落ち込んだとき、「人生こんなこともあるか」、「あの失敗があったからこんなことがわかった」と失敗を乗り越えて自分の力にする人もいれば、「失敗なんてあってはならない」、「全て失った」と無気力になってします人もいます。


 同じ出来事でも人それぞれの受け取り方・捉え方を通じて、力となるのか気力を失うのか、結果が違ってくるのです。気力がなくなってしまうような受け取り方をしがち人は、その受け取り方が本当に合理的なものか考えてみると、気持ちや行動が変わってくるかもしれません。


 私自身、絶対にこうだと決めつけ悩んでいたことを人に話したとき、その人が全く違う捉え方をしていて目から鱗、一気に気持ちが晴れた経験があります。

 誰にでも捉え方に癖や特徴はありますが、ときにそれが邪魔をして一歩踏み出せないことがあります。そんな時は家族や友人と話してみる、またはジョブカフェで話してみることで、自分自身の物事の捉え方について考えてみてはいかがでしょうか。


 高杉晋作は、ときに無謀で常識外れな行動で明治維新に大きな影響を与えましたが、明治の世を見ることなくこの世を去りました。動乱の時代、大変な局面にもたくさん直面したはずですが、「おもしろき~」の句から、自分の生きる世界をおもしろがろう、楽しもうという気概を持った人だったのだろうと知ることができます。

 現代に生きる私たちも色々な変化に晒されていますが、その中でも「おもしろく」

生きていくために日々出来事をどのように捉えていくのか・・・幕末の志士も「物事の捉え方」にヒントをくれている気がします。