『話さないというコミュニケーション』

HOME > メッセージ・ボイス > 『話さないというコミュニケーション』
  

キャリアカウンセラー 太田 香織

 

 

企業が求める人材像や能力の調査において、いつも上位にくるのがコミュニケーション能力です。コミュニケーションをうまく取ることができると、業務を円滑に進めることができるだけでなく、信頼関係を築くことにもつながります。

一方で、多くの人が不安だと感じているのもコミュニケーション能力です。

 

では、そもそもコミュニケーション能力とはどんな能力のことを言うのでしょうか?

上手く話す能力のことでしょうか?それとも、聴く能力のことでしょうか?

communication(コミュニケーション)の動詞形はcommunicate(コミュニケイト)で、「(情報を)伝達する」という意味があります。語源はラテン語で、「(他人と)分かち合う」を意味するcommunisなのだそうです。

つまり、コミュニケーション能力とは、何かを他人と分かち合うために必要な能力の総称なのではないかと私は考えています。

 

今から15年ほど前、まだ私が美容師をしていた頃の話です。

先輩から「接客されるな」と注意を受けたことがあります。

その一言に、私は愕然としました。お客様の話を聞いているつもりが自分のことばかり話していて、お客様が相槌を打ってくれていたのです。

当然のことながら、お客様の中には話し好きな方もいれば、話をしたくない方もいます。あの頃の私は、そんなことにも気づいていなかったのです。

それからは、カットやカラーリングなどの施術はもちろんですが、コミュニケーションの取り方にも気を配るよう努めました。

 

すると、それからしばらくして、施術に必要な会話しかしなかった女性のお客様から指名をしていただくようになりました。その方は毎月来店してくださり、1年ほど経ったある日、「結婚したことありますか?」と突然わたしに聞いたのです。私は驚いて、「いえ、ないです。」と答えることしかできませんでした。それからその方は、ご自身の結婚生活の悩みについて話してくださいました。プライベートな話だったため、信頼関係が築けていなければ話してくださることはなかったと思います。

 

あの頃、そのお客様と私が「分かち合って」いたものは何だったのか、それは分かりません。ただ、一つ言えることは、雑誌を読むその方の「雑誌を読みたい(話さなくていい)」という意思を私が受け取り、尊重していたということです。

このように、コミュニケーション能力の基本は、話すことでも聞くことでもなく、相手の求めているものは何なのかを考えることなのではないでしょうか。

 

相手や場所によってどのコミュニケーション能力を活かすのか。それを考えることが、コミュニケーション能力を磨く第一歩になるのかもしれません。

 

私たちとのカウンセリングを通して、コミュニケーション能力に磨きをかけませんか?

 

カウンセリングのお申し込みはコチラから↓

https://www.jobcafe-aomori.jp/mailform/counseling.php

 

※新型コロナウイルス感染予防対策として、検温や消毒の徹底、ソーシャルディスタンスを確保して実施しております。

 

カウンセラーメッセージ202302.jpg